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月別アーカイブ: 2025年5月

第12回プラント工事雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社巧工業の中西です。

 

 

さて今回は

~チェック~

ということで、チェックの重要性を深掘りし、実際に確認すべき項目やそのポイントを体系的に解説します。

 

巨大で複雑な構造を持つプラント工事において、施工完了はゴールではなく“運転のスタートライン”です。そこで不可欠となるのが「工事後のチェック(竣工検査・試運転前点検)」です。


なぜ「工事後のチェック」が重要なのか?

1. 安全確保

プラントは高温・高圧・有害物質などリスクを伴う装置が多いため、わずかなミスが大事故につながる。チェックによって施工ミス・接続不良・機器の初期不良を早期に発見します。

2. 品質の保証

図面や仕様書通りに施工されているかを確認することで、発注者・設計者との信頼関係を維持し、契約上の品質を保証します。

3. 試運転・本稼働の準備

チェックを怠ると、試運転中にトラブルが多発し、工期遅延や補修費の発生につながります。

4. 維持管理への引き継ぎ

竣工図・チェックリスト・確認記録は、メンテナンス部門への重要な“資産”となります。


工事後チェックの主な分類

区分 内容
目視点検 外観・寸法・支持具・ボルト締結状況など
機能確認 バルブ動作、ポンプの回転、計器の応答
漏れ検査 気密試験、水圧試験、真空試験など
絶縁・接地検査 電気設備の安全性確認(高圧・低圧)
制御確認 PLC・インターロック・警報機能の試験
書類チェック 図面・仕様書との整合、変更点の反映

必須チェック項目の例(配管・機器系)

項目 内容
配管の接続状態 継手の漏れなし、支持金具の締結状態確認
バルブの開閉 指定方向でスムーズに動作するか
ガス・水圧試験 規定圧でリークがないか(時間保持)
塗装・防食状態 指定色・膜厚・ピンホールの有無
計装信号 圧力計・温度計などの校正、信号伝達
安全装置 非常停止、ブレーカー、センサーの動作

チェック実施のポイント

  • チェックリスト方式で抜け漏れ防止

  • 関係者による立会確認とサイン

  • 不具合は記録・写真添付で「是正報告書」を提出

  • 再チェック・再試験のスケジュール管理


プラント工事における工事後チェックは、安全・品質・信頼のすべてを守る最終工程です。図面通りに施工されているか、機能が正常に動作するかを第三者目線で厳格に確認し、不具合は徹底的に洗い出して是正。これにより、プラントは安全に稼働を始め、長期的な安定運用が可能となります。

 

 

 

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第11回プラント工事雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社巧工業の中西です。

 

さて今回は

~図面~

ということで、プラント工事における図面の重要性を、安全性・効率性・品質管理の観点から掘り下げます。

 

石油化学、製薬、食品、エネルギーなど、あらゆる産業を支える「プラント工事」。その構造は膨大かつ複雑で、数千点以上の機器・配管・計装が関係することも珍しくありません。その中で「図面」は、すべての工事を正確に導く“設計と施工の設計図書”として機能します。


プラント工事における図面の役割とは?

1. 設計意図の可視化

プラント設備は、化学反応・流体制御・温度管理など極めて繊細な機能が要求されます。その設計意図を施工現場に正確に伝えるために、図面は言語以上に重要な媒体です。

2. 工程の正確な実行

複雑な配管ルート、設備機器の据付位置、支持金具の構造などを明記した図面がなければ、数ミリのズレが全体工程に致命傷を与えるリスクもあります。

3. 他工種との干渉調整

土木・電気・計装・空調などの多業種が同時進行するプラント工事では、図面を用いた干渉チェックが不可欠です。BIMや3Dモデルによる事前確認も今や必須です。


主な図面の種類と役割

図面名 内容と目的
P&ID(配管計装図) 配管系統、バルブ、計装機器などの全体構成
プロットプラン 建屋・機器の全体配置図、工程計画の基礎資料
配管設計図(ISO図) 立体的な配管経路、勾配・寸法・材質の詳細
板金・鉄骨図 支持台、鋼材、フレーム構造などの設計
設置図・詳細図 バルブ位置、機器据付、アクセスルートの設計
制御回路図 電気・計装系の制御方法とインターロックの視覚化

図面を活用するメリット

● 品質管理の一貫性

すべての作業員・監督・設計者が共通認識を持つことで、誤施工・品質ムラが減少。

● コストの削減

設計段階で干渉や配管の最適ルートを確定させることで、材料ロスや手戻りが激減。

● 安全性の向上

設計から施工、メンテナンスまでを想定した図面が、安全通路・作業スペースの確保に直結。

● メンテナンス性の確保

完成後も図面があれば迅速な点検・修理が可能。竣工図は長期的な資産です。


よくある図面管理上の課題

  • 図面の更新が現場と連動していない(古い図面による誤施工)

  • バージョン管理が曖昧(最新図面の識別が困難)

  • デジタル対応の遅れ(PDF・3D CAD未対応)

→ これらを解消するには、図面のクラウド管理・一元化システムの導入が不可欠です。


プラント工事において図面は、「精度」「安全」「品質」を確保するための最も重要なコミュニケーションツールです。図面なしでは施工は始まらず、図面の不備は事故や損失につながる可能性もあるため、設計段階から施工後の維持管理までを見据えた図面運用が成功のカギとなります。

 

 

 

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