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月別アーカイブ: 2025年12月

第26回プラント工事雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社巧工業の中西です。

 

はじめに:電力品質=安定生産
停電は停止、ノイズは誤動作、過電流は火災。だから電気は設計・施工・試験・運用の四位一体で“堅牢に、わかりやすく”。本回はSLD→機器→ケーブル→接地→防爆→試験→切替の順で押さえます。

 

1)受変電:単線結線図(SLD)が工場の設計図
• 受電方式:スポット or リング、非常電源(発電機・UPS)とバックフィード防止設計。
• 保護協調:OCR/GFR/UVR/OVR の設定と協調曲線。盤面に最新版を掲示。
• キュービクル・トランス:据付レベル・盤間クリアランス・アークフラッシュ逃げ、油受け・防油堤。温度上昇・タップ管理。

 

2)配電:ケーブルルートと容量計算
• ルート:トレイ・ダクト・ラック・コンジット。動力と計装、低圧と高圧の離隔。
• 選定:電流容量、電圧降下、短絡耐量、起動電流。長距離はCVT/CVQ サイズアップ。
• 端末処理:曲げ半径・張力管理、端末の収縮不良対策。写真台帳を標準化。

 

3)接地・ボンディング・雷保護
• 方式:多点・単一点の使い分け。等電位化でノイズ抑制、雷保護はLPZ設計。
• 接地抵抗:季節変動を踏まえ、雨天後の再測定で安定性評価。薬剤接地の寿命管理。

 

4)防爆・危険場所(Ex)
• ゾーニング:Zone 0/1/2、ガスグループ、温度等級。分類図の更新を継続運用。
• 機器:Ex d/e/i/n。シールフィッティングでガス侵入を遮断、充填材の混合作業は監督立会。

 

5)照明・動力・盤・VFD・電源品質
• 照明:作業床・階段・避難路。グレア対策、光害配慮。照度測定を引渡条件に。
• 動力・VFD:ノイズ対策(シールド・アース)、電源品質(高調波・瞬低)管理。コンデンサの共振回避。

 

6)試験・検査・文書
• IR・PI:温度換算、トレンド管理。
• 耐電圧・保護継電器試験:整定値・動作記録。位相・回転方向もチェック。
• 文書:図面、ケーブルスケジュール、端子台帳、試験成績。最新版一本化。

 

7)停電計画・切替手順(カットオーバ)
• PTW/LOTO:残留電圧の無電確認、逆送防止。一系統の指揮命令。
• 切替:並列運転の可否、負荷優先度、段階復電。復旧後の異常監視を計画に含める。

 

8)よくある失敗と対策
• 共架ノイズ→計装誤動作:離隔・接地の設計徹底。ケーブル色分け・ラベルで現場での誤接続防止。
• 端末処理不良:収縮不足・爪折れ→教育+写真台帳。再発傾向の可視化。

 

9)チェックリスト(抜粋)
☐ SLD・保護協調・非常電源・バックフィード対策
☐ ルート・容量・電圧降下・短絡耐量
☐ 接地方式・LPZ・接地抵抗トレンド
☐ ゾーニング・Ex 機器・シールフィッティング
☐ IR/PI・耐電圧・継電器試験・照度
☐ PTW/LOTO・切替手順・復電監視

 

結語:電気は“見えない配線”の設計言語。図面と試験記録が整っていれば、現場は迷いません。

 

 

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第25回プラント工事雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社巧工業の中西です。

 

はじめに:据付精度=プラント寿命
据付は、設計・土建・配管・電計・運転の“継ぎ目”をつなぐ総合芸です。タンク・塔槽・熱交換器などの静止機器は通り芯・レベル・アンカーが命、ポンプ・ブロワ・コンプレッサなどの回転機はソフトフット是正・熱成長見込み・芯出しが鍵となります。いずれもグラウトの一発勝負が勝敗を分けます。本回では受入からベースライン振動の記録まで、現場の順序で深掘りします。

 

1)受入・開梱・保管:Day0の出来で8割決まる
• 開梱位置はクレーン半径内、養生は防雨・防塵・緩衝材。長尺は2点吊+スプレッダ、鏡板養生は必須。
• 照合:製番・型式・付属品・予備品、油脂類・防錆材の同梱。外観傷・錆・ハンガ取付部の歪みを写真撮影。
• 保管:回転機は月1回転で軸受馴染み維持。乾燥剤・窒素封入機器は封緘状態の記録を残す。

 

2)基礎・アンカー:据付精度は“地面で作る”
• アンカー実測:芯間・対角・露出長・ねじ山。水準+レーザーの二重系で測る。許容差は機器仕様から逆算。
• 座金(Shim)計画:初期は3点支持で捻りを排除。シムの重ねは3枚以内、ソフトフット0.05mm以下へ。
• ベース仕上:不陸・レイタンス除去、打継ぎ部の目荒らし。グラウト接触率の実測を残す。

 

3)揚重・仮置・仮締め:吊り姿勢と“反変形”
• 揚重:重心位置を製番ごとに確認、軽吊り検証で偏荷重を排除。尾追い配置と合図者の一系統化。
• 仮置:接触面の異物除去、座金の仮配置、手締め→対角仮締めで捻りを抑える。
• 反変形:長尺・薄肉は吊りで撓む。最終姿勢を見越した反変形を事前計算。

 

4)グラウト:一発で決めるための準備
• 前処理:目荒らし→清掃→湿潤化。型枠は空気抜き・流入・排出口を確認。
• 打設:片側注入で気泡排除。リフトアップ法なら座金撤去、残す場合は位置を図示。温湿度の連続記録を残す。
• 養生:設計強度到達まで無荷重。高温・低温・多湿時の対策を工程に落とす。

 

5)回転機アライメント:冷間と温間の“ズレ”を味方に
• ソフトフット撲滅:0.05mm以上の浮きは是正。楔シム乱用禁止、端部バリ取り。
• 芯出し:ダイヤル or レーザー。熱成長オフセットを設計値から設定(軸方向・垂直方向)。
• 許容:回転数・継手に応じて0.03〜0.05mm程度が目安。最終はベースライン振動が語る。

 

6)配管接続:回転機に“無理をさせない”
• 順序:据付完了→配管。フランジ穴は自重で合う状態で初めてボルト挿入。
• ノズル荷重:応力解析でAPI/メーカー許容内へ。固定点→ガイド→スライド→スプリングの連鎖で逃がす。
• 伸縮継手:挿入長・ガイド間距離・点検空間。誤用は破損の近道。

 

7)回転方向・補機・試運転前点検
• 回転方向:矢印・相順確認。VFD は設定ロック。
• 補機:潤滑油循環、差圧、冷却水・シールフラッシュ、ベント・ドレン。
• ガード:カップリング・ベルトの二重保護、危険表示の視認性。

 

8)ベースライン振動と引渡
• 振動:アンバランス/ミスアライメント/ルースネスの診断。スペクトラムを保存し予兆保全へ。
• 記録:据付日誌、グラウトバッチ、温湿度、芯出し記録、ノズル荷重、回転方向、ベースライン振動。QR 台帳で部位ジャンプを実現。

 

結語:据付は“最後の1mm”。図面→基礎→配管→運転の境界をまたいで、責任の継ぎ目を無くすことがプロの段取りです。

 

 

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